ついにやっちゃいます。神秘のベールに包まれていた(?ゝ?)ロムファクトリーの全貌が今日明らかになっちゃいます。やっていいのかという疑問もありますが、1点製作完成品がいかなるものかも是非知っていただきたい、その気持ちのほうが強かったんです。
製作は、モデルカーズでも紹介される、ロム専属のプロモデラー 柴原 安樹 氏です。製作モデルは永遠のマシン『マクラーレン MP4/4 1988 A.セナ』 です。忙しい製作のさなか、貴重な画像をたくさん撮影していただきました。

これを見たらあなたもロムファクトリーの虜にならざるを得ないかもしれません。ご注意下さい。




では、製作、スタート!!
まずはパーツの確認からです。どのパーツがどういった素材で形成されているか知ることが大事なポイントです。このパーツ構成をもとに製作手順を考えていきます。事前に組んでしまえる所は下処理をしつつ組み立ててしまいます。


フロントウィングの処理からです。分割のウィングはこの時点でハンダ付けして1枚ものにします。
この部分は翼端板も事前に組み立ててしまいます。




リアウィングも合わせて処理します。


ウィングとフラップ部分のエッジ処理も忘れずに。また、厚みが平均になるようにヤスリをあてていきます。



フロント同様翼端板も接着します。合わせてステーも付けます。これがあとあと役に立ちます。

フロントサスペンションの処理です。ご覧のとおりサスペンションの付け根は大きく空いています。ここが製作行程のを決めるポイントになります。


サスペンションの位置に間違いがないか確認します。これに合わせてボディ、アンダーパネルのフラット処理を行います。



リアサスも組み込みます。サイドポンツーンの部分、色が変わっているのにお気づきでしょう。平面に見える部分も平面ヤスリで削ってみると平面でないことが分かります。平面ぽっくみえても実際は全然違うんですね。


アンダーパネルもご覧の通り、平面になっていないことがよくわかります。これをきちんと処理していないとケースに固定した際に横から見るとカッコ悪くなってしまいますからね。
全体のバランスを確認します。フラット処理でへこみの判明した部分はパテで処理します。これはきちんと埋めないと完成後の光加減がいびつになってしまいます。それじゃカッコ悪いですもんね。


サスの付け根の部分もパテで埋めてしまいます。
当たり前ですが、余分にパテは盛りつけします。


ボディも忘れずに。(忘れる訳ないですね。)
パテ盛りした部分を削り落としていきます。これでフラットになりました。


サスの付け根はこんな感じです。
ロールバーを処理します。ココがちょっとスゴイとこ。


本来はこうなるんです。ちょっとカッコ悪くないですか?だから…
こうしちゃいます。なんだこれとお思いの方、今から説明しますよ。


サイズを確認して真鍮板を切り出します。ロールバーを作り出します。
見比べると全然ちがいますよね。造り直して当然じゃないですか?


ロールバーの差し込み口をのこすためアルミ板をあてておきます
周りをはんだで埋めます。



ロールバーの差し込み口が残っていることが確認できますね。
余分なはんだをそぎ落として面をととのえます。


ここ迄で下処理は終了です。これより塗装にはります。基本の塗装は、サーフェーサーを吹いて基本のボディカラーをふきます。ボディ、フロントウィング、リアウィングともに全てホワイト塗装を完了させます。ここまでの流れは雑誌などでも見受けれるやり方と同じなんです。


基本塗装を終えマルボロレッドの塗り分けに貼ります。

マルボロのルーフの頂点をフロント、リアともに決めてそのポイントを中心にマスキンしています。


ラインのマスキングを先に処理してしまいます。
蛍光レッドを塗る所以外は完全防御のマスキングです。リアウィングもフラップをマスキングしてしまいます。


蛍光レッドを塗り終えるました。
サイドからみるとこんな具合です。


リアウィングはこんな具合です。フラップ部分はちゃんとマスキングしています。
リアウィング裏からみるとこんな感じです。


ここまでくるとボディ、ウィングの塗装は終了です。この後、所定の位置にデカールを貼り付けクリアー塗装をしてしまいます。研ぎだしもここで終わらせちゃいます。まだ塗装は終わった訳ではありません。マットブラックに塗らないといけない箇所が残っていますので、最後の塗り分け準備です。フロントノーズサイドウォール、ウィングの翼端板の裏面がマットブラックになります。ここでフロントサスのマスキングを剥がし一緒に塗装してしまいます。
塗り分けは完了です。きれいなラインがでました。サスペンションはこの時点でまだマスキングしておきます。この後、クリアーの吹き付けなどで塗装行程がはります。そのため、サスに余分な塗料がかかることを防ぎます。


マットブラックになる部分以外はまたもや、完全防御のマスキング。
フロトンウィング、翼端板外側もマスキング。



リアウィングもフロント同様のマスキングを施します。

無事に塗り分けも完了。きれいなマスキングのおかげで、はみ出しもりません。
ボディ、完成!!


ボディだけでなく、シャーシ側も塗装してますよ。
フロントウィング、完成!!



リアウィング、完成!!

塗装も完了し、最後の組み立て工程にはります。もちろん、この時点でその他のパーツ塗装も完了しています。


組み立ても終了するとこれで完成です。完成するとMP4/4です。(当たり前か)
これをロムオリジナルのディスプレイケースに固定し、商品ラベルを貼り、店頭に並べ、販売に至ります。


いかがでしたか?一部割愛させていただいた行程もありますが、大事なポイント(本当は見せたくないんですよ。)だって見せちゃいました。これで、ロムファクトリーによる1点製作完成品のすごさ(自画自賛)を分かっていただき、その販売価格の安さに驚きを覚えたのではないでしょうか?

よく知る製作行程の流れであっても、ポイント、ポイントでプロの業(わざ)が光っていますよね。でも、いきなりこれだけ造れるようになった訳ではないんですよ。何度も作り経験を積み重ね、いまでも進化していく業が活かされているんです。そんじょ、そこいらの完成品なんて目じゃなんです!!(スイマセン、ちょっと言い過ぎました。)でも、それくらいの自負を持って、モデラーは製作し、私たちスタッフは販売しているのです。

今回の記事は製作者である柴原氏の監修を受け製作させていただきました。
この場を借りて、
お忙しい中、写真撮影、記事の監修をいただきましたこと御礼申し上げます。



このモデルを製作した柴原 安樹 氏とはいかなる人物なのか、
制作者のモデラーのことを知ることでより完成品に愛着が湧いてきますよ。話を聞きましたのでここでちょっとだけご紹介。

経験年数は16年、製作台数1300台以上(43スケールの精密完成品製作だけ)という経歴の持ち主です。43スケール以外やプロになる以前の製作台数を含めるとその数は2000近くになるということです。しかも、この柴原氏、車の模型を作るだけでなく、鉄道模型や、船舶模型なども趣味で製作するほどの製作マニアです。製作以外にも時計や、無線、航空機などにも興味をもっているため、その方面から得た知識や、技術がカーモデル製作にふんだんに活かされているのです。
本人曰く、誰もやりたがらない製作依頼もこれまで何度とやってきたとのこと。そういう仕事の経験が今活かされているというのです。

完成品の外見からでは分からない、多方面の知識、技術の塊が柴原氏の完成品には注ぎ込まれているのですね。

柴原氏の究極の想いをお聞きください。
完成品は、ぜひ、手にとって実物を見てほしい
とのことです。

でも、なかなか通信販売で購入するには踏ん切りがつかないと言う方も多いとおもいます。そんな中、完成品をご購入いただきました方のレビューを紹介したいと思います。
届く迄、多少不安でしたが、想像以上でした。特にエンジン部分は、大変気にいりました。この度は精緻なものを入手出来て幸いです。また宜しくお願いします。
とのレビューをいただきました。ご購入いただき、ありがとうございます。
誰しもが、ご購入いただきますとこのレビューと同じ気持ちを持っていただけるものだと確信しております。
実物は梅田本店、東京店でご覧いただくことが可能です。機会がありましたらぜひとも触れて頂きたく思います。

最後迄お読みいただきましてありがとうございます。

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