V6ターボ、V10と規格の異なるエンジンで、1980年代後半から90年シーズンにかけてタイトルを独占してきたホンダにとって、次なる挑戦がV12だった。マクラーレンのエースであり前年王者のアイルトン・セナは、新生ホンダV12を搭載したMP4/6を駆り前人未到(当時)の開幕4連勝を成し遂げるも、達成感よりも危機感の方が強かった。信頼性の問題でリタイアを繰り返していたライバルのウイリアムズ・ルノーだったが、スピードでは完全にマクラーレン・ホンダを圧倒。チームのタイトル4連覇を懸けて、マクラーレン、ホンダ、シェル、その他パートナーたちがが持てる力を集結、まさに総力戦で猛追してくるライバルと激突した── 当時の日本はバブル絶頂期、空前のF1ブームの中、鈴鹿に集った大観衆の前でセナは自身3度目、そして最後のチャンピオンを決める!