マーカス・グロンホルムにとって2000年シーズンは初めてのWRCフル参戦の年だった。
シーズンを迎えるにあたって、彼をチャンピオン候補の1人と考えた者は誰もいなかった。
しかし、彼は鮮やかにその予想を覆した。長く、厳しい全14戦の戦い。
リチャード・バーンズ、カルロス・サインツ、コリン・マクレーといったトップ・ドライバー、そして4度のワールドタイトルを手にしたトミ・マキネン相手に一歩も引けを取らない戦いを挑み、そして栄光を手にした。
雪と氷のモンテカルロ、スウェーデン。荒野のケニヤ。アスファルトを蹴散らすスペイン、イタリー。
マディ・コンディションのイギリス。世界ラリー選手権のカレンダーは最もタフでコンペティティブなイベントが続いている。
WRCに参戦したマニュファクチャラーは7つ。
フォード、プジョー、セアト、ミツビシ、スバル、シュコダ、そしてニューカマーのヒュンダイ。
勝利を目指し、開発のスピードは凄まじいものとなり、結果マシンのパフォーマンスは目を見張るものとなった。
ステージ・タイムは次々と塗り替えられるとともに秒差のバトルが最後まで続くという歴史を塗り替えたシーズンとなった。
何十万人というスペクテイターが異次元とも言えるWRCマシンの走りを目撃した。
ギリシャ、キプロスではダスティロードを、オーストラリアでは大地を横切るデサートを、そしてフィンランドでは無数のジャンプスポットを持つフォレストロードをドライバー、マシンは限界を超え攻め続けた。
カメラはその戦いのすべてを捕らえた。マキネンのモンテ制覇に始まり、グロンホルム、プジョーによるスウェーデンでの初勝利。
マクレーの電撃スピードが勝負を決めたスペイン。バーンズの完勝となったサファリ・・・・・・
そしてコルシカでのマクレー、フィンランドでのバーンズ。
栄光を目指すトップ・ドライバーであればこそ直面するリスク・・・・・
オンボード・カメラはそのドラマのすべてを伝える。
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