モデルファクトリーヒロのメタルキットベース完成品です。製作はロム専属モデラーであり、43スケールのフルディティール完成品のスペシャリスト岩泉氏です。
今回のベースキットもこれまた一癖も二癖もある難易度の非常に高いキットでした。このキットの製作を検討中の方も参考になるとおもいますのでぜひ最後まで読んでいただきたいです。
まずこのキットは前後ともにアンダートレイとカウルの位置設計がずれています。とくにリヤタイヤはキットのまま取り付けるとホイールハウスのセンターから前方に1mm程度ずれていますのでエンジン部分から全体を後ろに1mmずらして取り付けています。まだドアのヒンジもそのままでは開閉しません。仮組の段階でこのヒンジを差し替えてスムーズに開閉できるようにしておかないといけません。つまり、仮組の段階で一度奇麗に完成させる必要があります。今回内部ディティールアップはさほど手を入れていませんがそれでもカウルが干渉するためその部分も合わせて修正してしまいます。そのご全てをばらして塗装へ入ります。
この塗装も787のカラーリングならではの癖があります。キットにはグリーンのデカールが付属していますがこのデカールを使うとどうしてもデカールのつなぎ目が境界線として残ってしまいますので仕上がりが見苦しくなるのでグリーンも塗装で再現です。このオレンジとグリーンの塗り分けが難しく単純にオレンジをグリーンを塗り分けるのではなくパーツの分割部分を考慮しながら場所ごとで順番に塗り分けていっています。こうして手間に手間を重ねて手間をかけた完成品なんです。
あと細かい箇所になりますが、前後カウルは取り付け後しっかり固定できるようピンがうめこまれています。またドアは塗装の厚みでどうしても自立オープンする位置まで開き切ることができませんのでオープン状態にするためのステーの差し込みギミックも仕組まれています。
これまで数え切れないフルディティール完成品を製作してきたモデラーがこれまでの中で一番手がかかったというのが一番の感想なのでどれだけ大変なことだったのか想像してみください。このお値段ならお値打ち価格ではないかと思います。