モデルファクトリーヒロのフルディティールキットベース完成品です。制作はロム専属モデラーで43フルディティールの製作を得意とする岩泉氏です。
ベースとなるキットはフルディティールキットですがもともと開閉機構のないキットでしたのでこれを実車同様開閉するよう製作してもらいました。製作してもらった言うのは簡単ですが実際に開閉機構を組み込み仕上がるのは至難の技でありスタッフのむちゃ振りに応えていただいた岩泉氏に感謝です。
このキットは開閉させることを念頭に置いたキットではないからか、とにかくパーツが合わないとのこと。カウルどうしはもとより内部パーツとカウルがいたるところで干渉したり、ずれていたりとそれらを解消するための処理にひたすら時間がかかったとのこと。とくに、エンジンカウル内のファンネル部分とスペアタイヤがカウルと大きく干渉しているためカウルを削らないといけないのですがそのカウルがこれまた薄く削れる部分が少なくギリギリまで削りなんとか干渉しないようになったとのことです。
それ以外にも両ドアの後ろにあるエンジン吸気用のダクトがボディ側とカウル側でずれており、カウルを閉じてしまえば合っているかどうかわからなくはなるものの、閉じた状態でも合うように調整してあります。さらにエンジンカウル内側にあるエアファンエルに続く吸気用ダクトもファンネルの位置からずれていたためこれも同じく調整。この部分はどのみちこの部分は修正しないとカウルが綺麗に閉まらない原因にもなっていたそうです。
その上でやっと開閉機構を組み込んでいくわけですがここでネックになったのがメタルパーツの材質の硬度で、メタルパーツがやわらかすぎたためにこれまで自作してきた開閉機構が合わず、いくつかの試作品を新たにつくり出しようやく開閉させることに成功しています。
フロントカウトとドアにはネオジムを仕込んでいます。フロントカウルは前方から差し込んでもらうと自然とネオジムに引き寄せられ取り付けがスムーズになっています。
最後にモデラーが、「せっかくノウハウができたからもう1台は作ってみたいが2台は辛いなぁ」と苦笑いまじりのでつぶやいたこの一言がこのキットの難しを端的にいい表していました。