タミヤプラモデルベースのプロポーション完成品です。
基本キットストレート組みですが細かなディティールアップももちろんしていますのでそれについては後述いたします。プロポーションモデルとして仕上げていますが塗装の仕上がりに重点を置いた完成品ですので存分にその質感を楽しんでいただけることかと思います。今回特に、フロントとリアウイングはあえてメッキシルバーを使用せずほんの僅かに青みがかったパールシルバーで塗装されています。これまでに見たことのない新たな観点で再現されていますがこれが全然違和感がなく仕上がっている辺りモデラーの感性を感じられます。全体の塗装の仕上がりについてはこれほどまでに滑らかであり深く輝く仕上がりのものはなかなかないと思います。
1978年出走、ジル・ヴィルヌーヴが優勝を飾った第16戦カナダGP仕様を製作しました。
『GP CAR STORY Special Edition Gilles Villeneuve』、『ジョーホンダ写真集フェラーリ312T2&312T3 1977-78』、シュンコーモデル製デカール
を参考に、第10戦イギリスGP仕様と思われる元キットのカウル形状を加工し、カナダGP仕様としました。
<工作>
-カナダGP仕様へカウル形状の変更-
サイドコクピットカウル形状の変更。
カウル後端のNACAダクトを削除。
サイドカウル左側のNACAダクトを追加。
サイドカウル後端形状の変更。
サイドカウル面形状を面一に変更。
パネルラインのスジは墨入れ無しで自然に影が落ちるよう、タガネで深く掘り直し。
シートベルトは『モデルファクトリーヒロ/フレキシブルシートベルト青』を追加。
コクピットのスイッチを『ホビーデザイン/1/24 トグルスイッチ(A)』、『ホビーデザイン 1/24 & 1/20 ノブスイッチ (A) 』で追加、置き換え。
ホイールのエアバルブを『さかつう/6502 1/20エアバルブ』で追加。
ホイールのビードロックを『モデルファクトリーヒロ/アルミリベットフランジ付き(Bタイプ)』で追加。
サイドミラーは0.1mm洋白版を加工し自作。
ケース固定用のM3ナットを埋め込み。
<塗装>
- カウル -
レッドは『ガイアノーツ/跳ね馬スペシャルセット』の3番を塗装。
前後ウイングの銀部分は経年変化に耐えるようデカールのクリアーコートを優先し、メッキ調塗料ではなくパール塗料を選択。
『ガイアノーツ/パールシルバー』を塗装。
デカールはシュンコーモデル製312T3デカールを選択。フロントウイングのMICHELINおよびサイドのMAGNETI MARELLIはサイズが合わなかったため、キット付属のカルトグラフ製デカールを使用。Agipロゴはキット付属のデカールの印刷が鮮明だったため同デカールを使用した。
クリアーコートは『ガイアノーツ/EXクリアー』を吹き付け。
コンパウンドはソフト99、3M製の業務用のものを用いました。
ソフト99細目で肌調整を行い、3Mダイナマイトカット、ハード1、ハード2を順にかけ磨き上げました。
- カウル以外 -
サーフェイサー1000を用いて、見える部分のパーティングラインと押し出しピン痕を除去。
サスペンション等の細かなパーツもサーフェイサー吹きとヤスリがけをを繰り返し丹念にパーティングラインを消したので、画像をご覧ください。
黒はピュアブラック、カーボンブラックの他、調合した青系の黒、茶系の黒を実車を参考に塗り分け。
シルバーは下地にグロスブラックを吹き付けた後にシルバー、メッキシルバー、フラットアルミを部材に応じて塗り分け。
タミヤ『ディスプレイケースC』付属。
台座はアクリル板乳白色を業者に発注し用意しました。
クリアーはラッカー系を用いるので、乾燥時間は余裕をもって計2週間取っています。
内訳は研ぎ出しまでに自然乾燥4日と加熱乾燥3日、仕上げクリアー塗装後に同様に自然乾燥4日と加熱乾燥3日。
改造部分を羅列していますが、最もこだわっている部分はカウルの光沢仕上げです。
ラッカー系を用いる事で塗膜をシャープにし、磨きだしは表面のシボと磨きキズをライトで確認しつつ取り切るように努めています。