1991年ホンダはそれまでのV型10気筒に代えて新たに開発した60°V形12気筒エンジンを投入しました。その新エンジンにあわせて開発されたのがこのMP4/6です。同じV12気筒エンジンを搭載するからでしょうか、前年の大成功作フェラーリ641/2を強く意識したデザインになっています。1991年のタイトル争いはシーズン前半にポイントを重ねたセナをFW14に乗るマンセルが追う展開になっていました。マンセルにとって悲願のチャンピオン獲得のためには絶対に落とせないという状況で迎えた日本GP、その緊張感は見る者にとってもピークに達していました。当時のマクラーレンはセナがポールからダッシュして逃げをうちベルガーに後ろを押さえさせセナを安全圏まで逃がすと言う作戦をよく使っていました。これを「ベルガーの壁」と呼んでいました。しかし、この日本GPではベルガーに任せておけないとおもったのかセナはベルガーを先行させ自らマンセルを押さえる作戦ら打って出ました。これが見事に当たってセナをなかなか抜けないマンセルはあせっていたのか1コーナーでコースアウトして自滅。この後セナはベルガーを抜きトップを独走。そのままゴールかと思われたのですが、ここで最後のドラマが待っていました。ファイナルラップのシケインを立ち上がったセナはゴール直前でアクセルをゆるめベルガーに勝利を譲ったのです。シーズンを通してサポートしてくれたベルガーに感謝の意を込めて。これに感激したのか解説の今宮純は泣き出して言葉にならないというハプニングもありました。
いつも通りスジ彫りは細く深く彫り直し手います。ディフューザーやカウルのエッジは薄く削り込んでいます。インダクションポッドの開口部も深く彫り込んでいます。ラジエータはキットでは上からエッチングパーツを乗せるだけでとってつけたようで見た目が安っぽいので一度ダクトを貫通させて内側から取り付けています。ミラー面に鏡面埋め込み、シートベルトは布製に交換、エアバルブ追加と細部もディティールアップしています。マルボロレッドはもちろん塗り分け、デカールや塗り分けの段差が全くないように研ぎ出しています。製作は弊社専属モデラー柴原 安樹です。