F1で初めて年間二桁勝利を飾ったコンストラクターは、1984年のマクラーレン・TAGだ。その後も多くのコンストラクターが二桁勝利を記録、2024年までに述べ22例を数えた。二桁勝利すればまず間違いなく、ドライバーもコンストラクターのタイトルも獲れている完全無双状態と言えるが、過去に1例だけ無冠の二桁勝利コンストラクターが存在した。それが2005年のマクラーレン・メルセデスである。 2000年以降、マクラーレンはタイトル争いから遠ざかっていた。ちょうどその間は、フェラーリとミハエル・シューマッハーによって選手権5連覇が成し遂げられた頃。“優勝請負人”のエイドリアン・ニューウェイをもってしても燻っていた時代。そんなニューウェイにとって事態の好転と言えたのが、フロントウイング地上高の上昇、予選から決勝にかけて原則1セットのタイヤ使用の義務など大掛かりな技術レギュレーションの変更があった。ここにニューウェイは懸け、MP4-20を開発。見事最速マシンの称号を得るのだが、まさかの信頼性不足がタイトル奪還の足枷となってしまう。その原因はどこにあったのだろうか──








