チームの方針に翻弄された悲運のF1マシンが発売されます。
RA301は前年、イタリアGPで劇的な優勝を飾ったRA300をベースに開発されています。ですのでシャーシはローラとの共同開発で、他チームのF1マシンより100Kg重いと言われた車重の軽減が徹底的に計られています。エンジンもVバンクの間から排気するレイアウトから一転し、Vバンクの間から吸気し、ヘッドの下側から排気する通常のエンジンのレイアウトに変更されると共にバルブスプリングにトーションバーが採用されています。シャーシ、エンジン両方の軽量化の結果60Kgを削り落としましたが、DFVを積むマシンよりはまだ30Kg以上重かったと言われています。
しかし、結果的にこの改良は成果を上げることが出来ませんでした。本田宗一郎の一声で空冷エンジンを搭載するRA302が開発されることになったため、RA301の開発は停滞することになってしまったからです。結局、信頼性を挙げられなかったRA301は僅か3回しか完走できませんでした。
そのRA301が最高位となったのが今回発売するフランスGPです。1968年をもってF1を撤退いたため第一期ホンダF1活動の最後をワールドチャンピオンで飾るため開発されましたが、チームの方針変更のためその夢が叶わず悲運のマシンとなっ手しまったRA301を2月上旬発売いたします。 220309ROMU